映画:12人の怒れる男

映画:『12人の怒れる男 ―評決の行方― 』の感想です。

ニューヨークの法廷で殺人事件の審理が終わった。被告は17歳の少年で、日頃から不良といわれ、飛び出しナイフで実父を殺した容疑だった。
12人の陪審員が評決のため陪審室に引きあげてきた。夏の暑い日で彼らは疲れきっており、早く評決を済ませ家に帰りたがっていた。
第1回の評決は11対1で有罪が圧倒的、しかし、判決は全員一致でなければならなかった。無罪は第8番ただ1人。彼は不幸な少年の身の上に同情し、犯人かもしれないが有罪の証拠がないといった…。

これは素晴らしかった!! いつもは1週間かけてのんびり見るんですけど、話にぐいぐい引き込まれて3日で見終わりました。
1週間かけても見終わらずに返却した映画もあったりするかかしですけど、これは本当に面白かったです。リメイクされた作品ですが、これはお勧めですよー。

さて、作品としては密室劇で、登場人物は基本的に陪審員の12人のみ。動きもほとんどないのに二転三転する喧々諤々の話し合いに一気に引き込まれました。
暑い夏の日、エアコンも動かない部屋で、被告の少年への不利な証言・証拠ばかり揃い、被告の少年のアリバイもはっきりしない。
そんな状況では有罪で即決して早く帰りたくなる心理になっても仕方ないところもあるでしょう。しかし、一人の陪審員は主張します。一人の命がかかった評決をたった5分の話し合いで決めても良いのだろうか、と。
早く帰りたい心理と、明らかに有罪だと思われる少年に無罪票を入れる陪審員に苛立つ感情のままに11人は激しい口調で有罪だと訴えます。
しかし、第8陪審員は冷静に「有罪かもしれない。しかし、無罪かもしれない。だから、話し合おう」と訴え、一つ一つの証言・証拠の疑わしい部分を挙げていきます。
ここで素晴らしいのは再現シーンなどをまったく用いなかったことでしょう。再現シーンを使えば視聴している側としては矛盾点がよりはっきりとわかるはずです。
しかし、陪審室での話し合いにおいてはそれぞれがそれぞれに状況を想像するわけで、その想像をすることで矛盾や疑わしいことがあるのだと納得していくのです。
つまり、視聴している我々も第13番陪審員としてそこにいるわけです。だから、それぞれの主張や見識にどっぷりとはまり込みました。
実際に、野球を見たいからとさっさと有罪にして帰りたがる陪審員にはむかついたので、自分がもしその場にいたら無罪票にすぐに変更してしっかりと議論をしようと訴えたでしょう。
日本でも裁判員制度があり、もし自分がその立場になったらきちんと主張が出来るのかどうか自信はありません。しかし、真剣に考えることが必要なのだと本当に思いました。
一つ一つひっくり返る証言・証拠に差別問題、親子の問題、人種差別、民主主義の弊害なども絡まり、様々なことを考えました。
評決を巡ってむき出しになる人間性なども見所ですし、評決が決まり名前を言い合うだけで何事もなかったように別れていく陪審員たちのシーンに、一つの日常でもあるのだなとも思いました。
小難しいことも考え、書いてきましたが、単純に有罪だと思われた事件がひっくり返っていく状況を見ていくだけでも十分に面白いです!
なにげなく手に取った映画でしたけど、本当に素晴らしかった。最近レンタルしてきた映画の中で一番の作品だと自信を持って言えます。ぜひどうぞ。

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